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提供した飲食店は罰則!?-ユッケ・生レバーは日本でどうして食べられない?-

ユッケも生レバーも日本国内で食べるのは難しい食材です。

正確には、生レバーを提供するのは法律違反で、ユッケは提供しても問題ありません。
ユッケと生レバーは根強いファンが多い食材ですから、提供したい飲食店は多いはず。

そこで今回は、ユッケと生レバーが食べられなくなった理由を解説し、生のレバーを食べるための方法について紹介します。

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ユッケと生レバーはいつから食べられなくなったのか

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ユッケと生レバーが食べられなくなった原因の舞台は、2011年の富山県小矢部市。激安の焼肉チェーンとして人気があった「焼肉酒屋えびす」です。

焼肉一皿を100円、最も高いメニューでも一皿380円というコスパの良さが魅力のお店で、特に人気のあった「和牛ユッケ」は、一皿280円という低価格で提供されていました。
あまりにも安いため、一人で2~3人前注文するお客様も多かったのだとか。

しかし、この焼き肉店でユッケなどの生肉メニューを食べたお客様が食中毒にかかり、死者5名、被害者合計181名を出す大事件になりました。
ただ、被害者のなかには、ユッケを食べていなかった人がいたことが判明します。

では、何故食中毒にかかったのか。

食中毒の原因は、ユッケを食べた人の箸に付着した菌がほかの料理にも付着してしまったことです。
そして、ユッケを食べていない人も間接的に菌を取り入れて食中毒にかかってしまったのです。

ここまで見ると、原因はユッケということになるのですが、実は食中毒事件の原因菌はユッケではなくレバーのほうに付着していたというのが本当のお話でした。


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この事件には大きな問題が2つあります。

まず、焼肉酒屋えびすは、卸業者から仕入れていたユッケ用の肉が生食用ではないことを知っていましたし、卸業者も加熱用の肉として卸していました。
つまり、焼肉酒家えびすが加熱用の肉を勝手に生肉メニューとして提供していたという問題が1点目ですね。

そして、卸業者は焼肉酒家えびすが加熱調理をするとばかり思っていたため、レバーを捌いた包丁でそのまま生肉を捌いていたという衛生管理の悪さが2点目です。

加熱用の肉を生肉として提供した焼肉酒家えびすも問題ですが、レバーを捌いた包丁で肉を捌いた卸業者にも責任はあるとして当時は卸業者もマスコミから叩かれています。
飲食業に携わっている人から見たら、ちょっと考えにくい衛生管理の劣悪さですよね。


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焼肉酒家えびすの事件を受けて大規模な細菌検査を行った結果、牛レバーから腸管性出血性大腸菌(O-157)が検出されました。
この事件が起こる以前は、牛の生レバーの内側にはO-157が生息しているとは考えられていなかったため、生食することに問題はないとされていましたが、2012年に食品衛生法が改正され、飲食店が牛の生レバーを提供することができなくなったのです。

そもそも、O-157は2~9個の菌を摂取するだけで食中毒にかかることもあるほどで、場合によっては重い病気を引き起こすおそれもあります。
特に、O-157によって溶血性尿毒症症候群が併発してしまうと、1~5%の人が命を落とすといわれているほどですから、十分な注意が必要です。


ユッケは食べられなくなったわけではない!?

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誤解している人も多いかもしれませんが、ユッケは焼肉屋で提供するのは禁止になっていません。
外側を加熱した肉をさばいて中心部だけ使うことは許されています。

ただし、手間のかかる提供方法のため、たくさんの人が足を運ぶ焼肉チェーン店では提供されていないでしょう。
また、ユッケを提供しようとすると値段が高めになってしまうので取り扱いを止めてしまったお店も少なくありません。

ユッケを提供するには、生食用食肉の規格基準に従って提供する必要があります。
規格基準では、成分規格や加工基準、保存基準、調理基準、設備・器具の衛生、食品取扱者、記録の保存などについて細かく定められています。
基準を満たすのは意外と大変ですから、調理技術があることはもちろん、管理体制を整えたお店だけでしか取り扱いはできないでしょう。

焼肉酒屋えびすの事件以降、生肉を使用したユッケを食べるのは避けたい人が増えた一方で、根強い需要があるのも事実。
ねっとりとした食感とコクのある旨味は、一度食べたらファンになる人も多いのでしょう。

牛肉のユッケを取り扱う飲食店は減ってしまいましたが、マグロやサーモンを使用した「ユッケ風」を提供しているお店は多く見られます。
肉と魚なので旨味は同じにはならないものの、ユッケにできるだけ近づけた商品を提供しているお店も多いです。


生レバーが出せなくなった日本の飲食店

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日本国内にある飲食店で牛の生レバーを提供するのは違法行為となりました。
厚生労働省では、研究が進んで安全に食べられる方法が見つかった場合、規制の見直しを検討するとしていますがあまり大きな期待はできないでしょう。

ただ、牛のレバーは焼肉店をはじめ居酒屋などでも人気のメニューだったことから、牛に代わる代替品を提供できないかと考えた人も多いのではないでしょうか。

しかし、残念ながら豚のレバーも生食用として販売・提供することはできません。
豚の肉や内臓を食べると、鮮度に関係なく食中毒にかかったり、E型肝炎ウイルスに感染したりするおそれもあります。
もちろん、イノシシやシカなどのレバーも食中毒が発生するリスクがあるため生食はNGです。


しかし、絶対に生のレバーを提供できないのかというと、そうではありません。
実は馬のレバーは生食できます。

その理由は、馬は反芻動物ではないことや、体温が高くO-157が生きられないからです。
反芻動物とは、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、もう一度噛み直す動物のことで、牛のほかにヒツジやヤギも反芻動物に含まれます。


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馬のレバー以外を提供する場合は、食品衛生法のルールに則って提供しなければなりません。
具体的には以下のポイントに注意しましょう。

①牛・豚のレバーや豚肉を原料として調理する場合は、中心部の温度が63度で30分間以上、または75度で1分間以上などの調理を行い、中心部まで十分に加熱すること。

②牛・豚のレバーや豚肉は『加熱用』として提供すること。『生食用』『刺身』として牛のレバーの提供は できない。

③焼肉店などでは来店客が自ら調理するため、加熱していない牛・豚のレバーや豚肉を提供する際には、中心部まで十分な加熱が必要である旨の案内をすること。


もしも生レバーを提供してしまったら、最悪は逮捕されることになります。
実際に、牛の生レバーを提供した店主が逮捕された事例もあるほどです。

たとえば、生レバーを「あかんやつ」というメニュー名で提供したお店の店主が食品衛生法違反容疑で逮捕されています。
また、生レバーを「炙りレバー」として提供したお店の店主も逮捕されました。

一説には、生レバーを提供する際に、お店側がお客様に対して「しっかり焼いてくださいね」と伝えるとセーフといわれていましたが、通用しないと考えたほうが良いでしょう。

根強いファンがいる生レバーだけに、飲食店が提供したくなるのは十分すぎるほど分かります。
しかしルールはルール。
逮捕されることがないようにルールに従って商品の提供が求められています。

ちなみに、生レバーを生食として提供すると「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」という重い罰則が待っていますよ。


生のレバーをどうしても食べたい時にはどうしたらいいのか?

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生レバーが飲食店で食べられないなら、スーパーなどで購入して自分でさばいて食べれば問題ないと思う人もいるかもしれません。
しかし、加熱用を除いて生の牛のレバーは販売・提供ができなくなっているのが現状です。

まず、どうしても生のレバーを食べたいなら、紹介したように馬のレバーが第一候補に挙げられます。
どのような食材でも生食するのにはリスクがあるため、馬の生レバーも絶対に安全とは言えないのは間違いありません。
それでも、ほかの動物に比べたら食中毒のリスクは低いと言えます。

馬の生レバーの食感は、ねっとりとした牛のレバーとは違い、ややコリコリとした食感です。
臭みも比較的少ないので、レバーが苦手な人も食べやすいでしょう。

鶏のレバーも禁止されていないので食べることは可能です。
ただし、カンピロバクターによる食中毒リスクがあるので、しっかりと下処理をしたうえで低温調理をする必要があります。

厚生労働省のガイドラインでは、レバーは中心温度63度で30分または75度で1分加熱すると殺菌できるとされているので、より生に近づけるには63度で30分の加熱が良いでしょう。
リスクがある以上、おすすめはできませんが…。

牛の生のレバーに近い味や食感を楽しむには、生レバー風こんにゃくを試してみる手もありますね。
こんにゃくを加工して生のレバーに近づけているので、忘れかけていたあの味を楽しめるでしょう。
もちろん、生のレバーを食べたことがないという人にもおすすめできます。


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一方で、YouTubeを見ると牛の生レバーを食べる動画がアップされていますが、彼らは自己責任として行なっているのであって、特別なルートで生食用を手に入れているわけではありません。
食中毒にかからないように特別な訓練をしているわけでもありません。
なので、食中毒によって死亡している事例があることを思うと、動画を見て真似をしようなどと考えないのが無難ですね。

また、ネット通販業者のなかには「加熱用レバー」としつつ、新鮮なレバーであることを表記しているケースもあります。
見方によっては「生食できるかも」と受け取れそうな感じがするので、誤解してしまう人もいるかもしれません。
通販で購入して生食するのは自己責任と言ってしまえばそれまでですが、あまりにもリスクが高すぎです。

海外に目を向けると、レバーを生で提供しているお店がたくさんあります。
韓国やタイが良く知られていて、屋台や焼き肉店で提供しているようです。
ただし、衛生面での不安を払しょくできないので、安全性の高いお店を選ぶようにしたいものですね。

まとめ

いかがでしたか? 今回は日本では食べられなくなったユッケ・生レバーについてお話ししました。

ユッケ・生レバーに焦点を当てましたが、まだまだ日本は生食の文化でもあります。
だからこそ、飲食店は衛生管理を徹底していかないと、また食べられなくなってしまうものが増えてしまうかもしれません…。

飲食店・企業によっては、正社員の調理スタッフだけしかキッチンに入れさせない、食材に触らせないと衛生管理含め、プロ意識の高いところもあるほどです。

しかし、人の口に直接入るものとして、ここまでの考えがないとお客様との信頼関係は築けないものかもしれません。
焼肉酒屋えびすを反面教師とまではいきませんが、コロナ禍でさらに衛生面で厳しくなってきているので、こうしたことをしっかり守れている飲食店が未来を生き抜けるかと思えます。


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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。

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