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日本一売れている駅弁!?崎陽軒のシウマイ弁当について調べてみた

日本で一番人気の駅弁って、おかずはなんだと思いますか?
牛肉やうなぎのような高級食材…?

それが違うんです。
日本一売れているといわれる駅弁のメインおかずは、なんと「シウマイ」なんです。

なぜシウマイが一番人気なんだ!?
ん?シュウマイじゃなくて「シウマイ」?
などなど、いろんな疑問が湧いてくるかと思います。

この記事では、横浜で知らぬ人はいない企業「崎陽軒」と、その主力商品「シウマイ弁当」について熱く解説していきます。

100年以上続く崎陽軒の経営理念についても解説するので、参考にしてみてください。

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崎陽軒とは

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「株式会社崎陽軒」は神奈川県横浜市西区に本社を置く、駅弁の製造販売やレストラン経営などを行う企業です。

崎陽軒のもっとも有名な駅弁は、日本一売れているといわれる「シウマイ弁当」。
メインのおかずに焼売を据え、鶏の唐揚げや卵焼き、蒲鉾や筍煮などでサブを固めたこの弁当は、横浜エリアで知らぬ者はいないといっても過言ではありません。

崎陽軒は1908年、当時の横浜駅(現在の桜木町駅)で小さな売店として創業しました。
その当時は駅弁ではなく、サイダーや餅などを売っていたそうです。

1915年の横浜駅移転に伴って崎陽軒も場所を移動し、このときから駅弁の販売が始まります。
1923年に崎陽軒は法人化して「合名会社崎陽軒」となり、代表社員には野並茂吉氏が就任しました。

そのころ崎陽軒が抱えていたのは「駅弁が売れない」問題です。
横浜駅は、駅弁がなかなか売れない立地の問題があったのです。

下り列車の場合は東京駅から発車間もないため、乗客はお昼時でもなければ横浜駅で駅弁を買いません。
上りの場合はもうすぐ東京駅に着くので、駅弁を買ってもゆっくり食べられません。

野並氏は問題解決のため、横浜名物を誕生させようとします。
ほかの駅弁と差別化した、横浜ならではの商品を打ち出し「わざわざ横浜で買う」理由を作ろうとしたのです。

野並氏が注目したのは、南京町(現在の横浜中華街)の飲食店で、当時よく突き出しとして食べられていた焼売です。
これを折詰に入れて駅で売り、横浜名物にしようとしたのです。

しかし、焼売は温かくないとおいしくありません。
冷めると豚肉の匂いが鼻につき、旨みも感じにくくなります。舌触りが脂でザラザラするのもネックです。
  野並氏は「折詰なんだから多少味が落ちても当たり前」とは考えませんでした。
別の視点から問題を捉え、「冷めてもおいしい焼売」を開発しようとしたのです。

南京町の点心職人をスカウトし、豚肉のあんにホタテの干貝柱を練り込むなど試行錯誤を重ね、約一年かけて独自の「シウマイ」を開発。
1928年に世に送り出しました。

確かに、崎陽軒のシウマイは冷めていても旨みたっぷりで舌触りがシルキー。
温めなくても食べ飽きず、パクパク食べられるおいしさがあります。


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ところが、発売当初は焼売がなじみのない食べ物だったため、あまり売れません。
そこで崎陽軒は、小型飛行機から無料券つきの宣伝ビラをばらまくという派手なプロモーションを実施し、シウマイに注目を集めます。

戦後はチャイナドレス風の制服を着た女性販売員「シウマイ娘」を起用し、話題作りにつとめました。
現在でいうイメージガール戦略ですね。

その後1952年、毎日新聞に連載された獅子文六氏の小説にシウマイ娘と野球選手のカップルが登場。
この小説は翌年に映画化され、当時の人気女優・俳優を起用したこともあって大人気となりました。

現在でいうメディアミックスですね。
当時の崎陽軒は、さまざまなプロモーション手法を先取りで活用していたんですね。

こうしてシウマイは一躍有名になり、崎陽軒は横浜を代表する老舗企業となっていきます。


シウマイ弁当の歴史

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シウマイ弁当が誕生したのは小説映画化の翌年である1954年です。
映画化の波に乗るような、絶好のタイミングで販売が開始されました。

前述の通り、シウマイ弁当を考案したのは二代目社長の野並豊氏。
すでに横浜名物として定着していたシウマイをさらに発展させ、横浜ならではの駅弁を生み出そうとしたのです。

初代シウマイ弁当のおかずは、ぶりの照り焼きや卵焼き、エビフライ、筍煮、横浜蒲鉾、酒悦の福神漬け、昆布の佃煮、そしてもちろん崎陽軒のシウマイ。
コーヒー一杯が50円だった時代に、一個100円で販売しました。

ちなみに現在のシウマイ弁当は一個税込860円。(2021年9月時点)
価格帯はそこまで変わらないんですね。

すでにシウマイが横浜名物として定着していたので、シウマイ弁当はすぐ大人気商品となりました。

崎陽軒ではシウマイのレシピを、販売当初から現在まで一度も変えていないそうです。
しかし、シウマイ弁当のおかずは発売後から数回変化を繰り返しています。

時代によって、豚肉の天ぷらやサヤインゲン、椎茸の丸煮や大根の漬物など、少しずつ入っているサブのおかずが違うんですよ。
長年食べ続けている人は「入ってた入ってた!」と懐かしく思うおかずもあるのではないでしょうか。

いまや、シウマイ弁当は押しも押されぬ崎陽軒の看板商品であり、一日24,000個以上売れる日本一の人気弁当となっています。


崎陽軒シウマイ弁当の秘密

シウマイ弁当をよく見ると、シウマイ以外はけっこう昔ながらの、地味なおかずが多い印象です。
一見ゴージャスでもないのに、どうして日本一売れているんでしょうか。

ここでは、シウマイ弁当の知る人ぞ知る秘密について探ってみました。


もちもちのごはん

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シウマイ弁当でシウマイ以上に絶賛されることもあるのが、俵型に詰められたもちもち食感のごはんです。
冷たいごはんはパサパサになりがちですが、シウマイ弁当のごはんは冷めても、驚くほどのもちもち加減です!

これは、シウマイ弁当のごはんが蒸気炊飯方式で炊かれているからです。
おこわと同じように蒸気で炊き上げているので、もちもちで冷めてもおいしさを失わないんですね。


お弁当の箱

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シウマイ弁当の箱には薄い木の板「経木」が使われています。
プラスチック容器や紙容器よりコストがかかりますが、経木を使うのが崎陽軒の強いこだわりなんです。

それは、経木の性質がおいしさのポイントになっているから。
経木は通気性があるのでごはんの余分な水分を吸い取ってくれ、蓋を開けたときに水滴がごはんの上に落ちるのを防ぎます。

そのため、シウマイ弁当のごはんはべちゃべちゃ感が全くない、おいしいごはんなんですね。

また、経木を使うと蓋を開けたときに木のいい香りが食材の香りと混ざり合い「シウマイ弁当ならでは」の香りを楽しめます。

ただ、経木が直接ごはんに触れるので、ごはん粒が蓋にくっつきやすいという面もあります。

筆者はあれを一粒ずつ取って食べるのが楽しいですが、「ちょっと面倒だな」と思う人もいるかもしれません…。
ですが、経木にたくさんのメリットがあることを知れば、ごはん粒もきっと楽しく取れるでしょう。


陶器製の醤油入れ「ひょうちゃん」

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「ひょうちゃん」とは、シウマイ商品に封入されている、顔のついた醤油入れのことです。
横浜では、家の台所には必ずひょうちゃんがある、と言われるほど親しみ深い存在なんですよ。

ひょうちゃんの顔を最初にデザインしたのは漫画家の横山隆一氏。
現在の朝日新聞で長期連載されていた漫画「フクちゃん」の作者として有名ですよね。

「ひょうちゃん」というネーミングも横山氏自らつけたものです。
横山氏デザインの初代ひょうちゃんは、1955年に世に送り出されました。

ひょうちゃんの顔は可愛くて愛嬌があり、なんだか集めたくなってしまいますよね。
現に、ひょうちゃんをコレクションしているコレクターもたくさんいます。

ただし、ひょうちゃんはいまや900種類以上もあるとされており、代替わりや記念日などに伴ってさまざまなバーションがあるので、とてもコレクター泣かせなんです。

1988年には80周年バージョンとして、「オサムグッズ」のデザイナー、原田治氏デザインの二代目ひょうちゃんが誕生しました。
2010年には劇団四季「キャッツ」とコラボしたキャッツひょうちゃんも登場しています。

ひょうちゃんは、いまや崎陽軒を代表するシンボルです。
ただし、ひょうちゃんが入っているのはシウマイ商品(一部を除く)のみ!シウマイ弁当には入っていないので注意してくださいね。


シュウマイでなく「シウマイ」

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崎陽軒の焼売は、なぜ「シュウマイ」ではなく「シウマイ」なのでしょうか。
それは、初代社長、野並茂吉氏の故郷である栃木のアクセントが「シウマイ」に近かったからです。

また、本場中国でも「シウマイ」に近い発音で焼売を呼ぶため「シウマイ」が採用されたのでした。

シウマイなら、本場の発音に近くなるうえ他商品との差別化も図れ、利用客のインパクトも強くなりますよね。


横浜工場と東京工場の違い

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崎陽軒の工場は、神奈川県横浜市に本社工場、横浜工場があり、東京都江東区に東京工場があります。

それぞれ製造しているシウマイ弁当の中身は変わらないのですが、パッケージには大きな違いがあるんです。

東京製造のシウマイ弁当は蓋にかぶせ蓋を使っており、横浜製造のシウマイ弁当はかけ紐が結んであります。

実はこのかけ紐、手作業で結んでいるので非常に手間がかかるんです。
そのため東京工場設立の際にかぶせ蓋に変更したのですが、横浜エリアではその変更を行なっていません。

これは崎陽軒の、地元を大切にするローカルブランドとしてのプライドが関係しています。

崎陽軒は平成に入った1989年、シウマイ弁当のおかずから鶏の唐揚げをなくし、よかれと思ってエビフライを加えたことがありました。
すると横浜市民からクレームが殺到し、数年後には元に戻すことになったのです。

運動会などのイベント、家庭での日常食としてシウマイ弁当を食べてきた横浜市民は、シウマイ弁当の「変わらなさ」を愛しています。
シウマイ弁当はただの弁当ではなく、すでに横浜の食文化であり、それぞれの思い出の象徴なのです。

そのためパッケージのかけ紐も、横浜市民のこだわりを考えて変更しませんでした。

しかし、近年とうとう人手不足が原因で、横浜工場に紐かけ機械が導入されました。
シウマイ弁当ファンとしてはちょっと寂しい気もしますが、見方を変えればサスティナブルな試みともいえます。

テクノロジーをうまく利用しつつ、「変わらない」シウマイ弁当を守っていってほしいですね。


経営理念「ナショナルブランドではなく、『真に優れたローカルブランド』をめざす」とは

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崎陽軒の経営理念は「崎陽軒はナショナルブランドをめざしません。
真に優れた「ローカルブランド」をめざします。」というものです。

ナショナルブランドを「目指す」ならともかく、「目指さない」という宣言は珍しいですよね。

これは「真にローカルブランドとして優れているならば、自然と価値は高まりインターナショナルブランドになっていく」という信念があるためです。

ですから、崎陽軒はコンビニには進出しません。
シウマイ弁当は「24時間食べられる便利な弁当」ではなく、基本的に「横浜に訪れたから食べる」ものでなくてはならないからです。

崎陽軒は横浜市民のための企業であり、横浜市民の食文化や思い出の象徴を担っているという自負があります。

その経営理念が評価され、崎陽軒のシウマイ弁当は1991年「ヨコハマ遊大賞」を受賞するに至りました。
「ヨコハマ遊大賞」とは、横浜の文化向上に貢献した、横浜にふさわしい人やモノを表彰する賞です。

人ではなくモノでの受賞はシウマイ弁当が初めてだそう。
「ヨコハマ遊大賞」受賞は、崎陽軒の経営理念が最高の評価を受けた瞬間でした。

崎陽軒は横浜市民のためにあり、横浜市民は崎陽軒に並々ならぬこだわりを持っている。
崎陽軒と横浜市民は、深―い相思相愛の関係なんですね。


まとめ

いかがでしたか?

今回は日本一売れている駅弁、崎陽軒のシウマイ弁当についてお話ししてきました。
地元の横浜を大切にしていることだったり、真に優れたローカルブランドということで、長年愛されているからこそ、全国でも有名なものとなったかと思います。

だからこそ、崎陽軒の考え方は飲食店が生き残るためのノウハウのひとつとしてお話しした次第でした。

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小学6年生の時に某テレビ番組の取材で有名ホテル総料理長に出会い食の世界に魅了されて、中学2年生の時に海外派遣団に参加。シンガポール及びマレーシアへ訪れた際に海外の食を知る。高校1年生から単身カナダへ渡り世界の食に触れ、帰国後は飲食人としての人生をスタート。複数の飲食店でのアルバイトを経験し、新卒で居酒屋リーディングカンパニーの人事労務に勤める。上場及び未上場の飲食企業複数社にて、人事、新卒及び中途採用、教育、経営企画、株式上場などの責任者(部長・局長)を歴任。面接人数は8,000名以上、各専門学校にて就職ガイダンスの外部講師として講演活動も積極的に行っている。

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